第14話〜中立の立場で 後編〜

物事の考え方

こんにちは!やまだのりおです。当ブログにお越しいただきありがとうございます。

それでは前回の続きです。トラップがたくさん仕掛けれていました…笑

会話って奥が深いですね。それでは始めます!

前編のあらすじ…

職場に突然、産休中の職員の目黒さんという方がやってきた。その方の来た目的というのは…

彼女の来た目的とは

「すみません、お仕事中に急にお邪魔してしまって」

彼女は菓子折りを差し出しながらそう言った。はみかむその笑顔はきっと誰しもが好む感じのそれである。

「わざわざお菓子まで頂いて、ありがとうございます。復帰の日はたしか再来週でしたよね?」

僕はやんわりと、「今日は何をしに来たんですか?」と遠回しに聞いてみた。直接的に聞いてしまうときっと印象は良くないだろうから。

「はい、やまだ店長がどんな方なのか一度お会いしたかったんです」

と、彼女は話した。「会いたかった」という表現は聞き手にとっては嫌な言葉ではない。人によっては勘違いしてしまう表現だ。狙って言っているセリフなのかは分からないが、彼女もそこそこ対人力が強いタイプだと感じた。

「僕なんかに会っても、特に大して価値はないですよ(笑)今日お休みの平さんがいらっしゃる時に来ていただいた方がよっぽど有意義だと思いますが」

僕は冗談めいてそんな話をした。

平さんという方は、この店舗の正社員の方である。社歴20年近くのベテランで、一人で一通りの仕事をこなすことができる。綺麗なお姉さんという印象で、独身でパートナーもいないというのが不思議なビジュアルだ。やまだ自身一緒に働いてまだ1か月そこそこだが、平さんの責任感を評価していた。一方で、「人と交わるときっと衝突するくらい自我が強い」「人の話をあまり聞かない」そんな印象も持っていた。

僕が「平さん」というワードを出した瞬間、目黒はつねさんの表情が顕著に曇った。僕は何となく目黒さんがわざわざ来た理由が分かった。

突如始まるネガティブワードの数々

「そうなんですよね。本当は平さんにご挨拶したほうが良かったんです。でも実はわたし平さんの事がすごく苦手で、職場復帰してうまくやっていけるかどうか不安なんです」

急に笑顔が消えた彼女は下を向いて話をつづけた。

「産休に入る前も平さんからくどくどと文句を言われました。『あなたやる気あるの?』って。そういう言い方はないんじゃないかって思うじゃないですか。なんで私があんなおばさんにとやかく言われなきゃいけないのかって。私だって頑張っているのに…。その前もこんなことがあったんです」

…と、彼女は顔を上げ口火を切ったように目黒さんのマシンガントークが始まった。僕は驚いてしまった。

客観的に見て、僕は「どっちもどっち」だと感じた。平さんという小綺麗な女性の言い分もなんとなく分かるし、目黒さんの言いたいことも分かる。まさに「ボタンの掛け違い」のようなものだ。

だが人間関係というのはそんなものなのだ。一人一人の意見を聞けば、全てが理にかなってはいる。その少しの考えの違いが、こうやって関係の歪みを生むのだ。

ただ良くないと感じるのは、こうやって陰口めいたものを言うことである。目黒さんとしては自覚がないのだろうし、彼女にとってはただの「悩み相談」なのかもしれない。ただ誰かのいないところでこうやって影口・悪口を言ってしまうのは、彼女にとっても大変よくない。そしてはじめましての僕なんかに、そんな話をしていいのだろうか?

最初に抱いた彼女への好感が僕の中からすっかり消えてしまっていた。

派閥に入らないように言葉を選ぶ

「…ねぇ、やまだ店長どう思います?」

特に女性に多い傾向として、「誰かを味方につける」といった行為だ。これはある意味派閥作りのようなものだ。間違っても「目黒さんの言う通りです」と言ってしまうことで、「やまだ店長は私の味方」というあまり良くない印象を持たれる。僕はあくまで中立の立場だ。言葉を慎重に選ばなければならない。

「そうですね、仰ることはよくわかります。大変なことがあったんですね」

最初に否定から結論付けないよう気を付ける。彼女の自尊心を傷つけることになるからだ。まずは同調から。

「目黒さんも頑張ってらっしゃるんですね。僕は平さんと目黒さんが一緒に働いてくれることで、お互いの良さが存分に出て、良い仕事ができることを楽しみにしています。人それぞれ考えが違いますしね、それは仕方のないことです」

僕は努めてポジティブな意見だけを述べるようにした。

「やりづらいなと感じることがあればまたご相談ください。完全に解決することは難しいかもしれませんが、何か少しでもいい方向に向かって、お二人が働きやすくする方法を考えるのが僕の仕事です」

目黒さんは僕をじっと見つめた。彼女が欲していた答えとは違う、そう訴えていたような目立った。菓子折りというある意味賄賂のようなものを受け取っているが、仕方ない。僕は立場的に誰かに偏って評価してはいけない人間である。

「ありがとうございます。やまだ店長がそういう人で安心しました。復帰後はよろしくお願い致します。お忙しいのに急にお邪魔してすみませんでした」

彼女は頭を下げ、店を出て行った。

いかがだったでしょうか!?僕が未熟者だったら、可愛い見た目にコロっと、「目黒さんの味方です!」なんてこぼしてしまう所でした…笑

人間関係て奥が深いですね!

それでは本日はここまで!ご覧いただきありがとうございました!

さようなら!!

やまだのりお

あと11,740話

やまだ のりお

◆所有資格◆
薬剤師
簿記3級
FP3級
 
◆経歴
前職:東証プライム上場企業 営業職

現職:サービス業 エリアマネージャー
 
第一子誕生をきっかけに転職。
仕事と家族と充実した毎日を過ごしています!
 
資格と経験を活かしつつ
健康・お金・転職・マネジメント
などの情報を発信しています!

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