相手の気持ちになって考える。それは相手に「憑依」することだ。
今人気のアニメ「推しの子」で主人公の恋人である女優「黒川あかね」。この女性は、「役柄になりきるために、その役に憑依する」というスキルを持っている。
あそこまでの憑依は現実的には不可能である。だが、相手がどんな気持ちであるかを想像することは現実的には可能である。ではどうすれば良いか?
ターゲットに憑依するプロセス
- グーグルで調べる
- 相手の一次情報を手に入れる
- 想像力を働かせる
まず「1.グーグルで調べる」という部分であるが、これはちょっと難しい。何故なら、人間関係で困っている対象の人物は大半は一般人であり、グーグルで検索しても芸能人でない限りその人の情報はヒットしない。
一般人のリサーチを行うには、「本人からの情報」もしくは「その人に近しい人からの情報」というものが必要になってくる。そこで「2.相手の一次情報を手に入れる」というプロセスに入る。
一次情報というのはいわゆる「信頼度の高い、独自の情報」である。ネットではほとんど拾えない情報ともいえる。
例えば、ターゲットとしたい人物の「誕生日」「血液型」「兄弟構成」などである。ターゲットがInstagramやFacebookなどのSNSを本名でやっているのであればそこから拾う事ができるが、情報セキュリティの昨今、匿名でSNSを実施している人が少なくない。
理想はその本人から「聞き出すこと」である。直接情報を仕入れることで、「○○さん、兄弟2人いるってい言ってましたよね?」と直接確認することが出来る。
もし本人の知人から「兄弟2人いるらしいよ」と聞いたときに、本人にフィードバックできるかどうかが確信を持てない。例えば「Aさんから聞いたんですが、兄弟2人いるらしいですね?」と本人に伝えたときに、「なんかこいつキモくね?」と場合によっては思われるのである。
聞いた1次情報は積極的にメモをし、後でExcelなどのデータベースに保存しておこう。その人との人間関係構築に後々役に立つ。
「3.想像力を働かせる」は、価値観が異なる人間の思考を考える根気のいる作業である。これは、できるだけで良い。
例えば、ターゲットは「とんこつラーメンが好き」だとする。それは何故だろうと考える。
物事の好き嫌いには、必ず理由がある。特に食べ物に関しては、
- 幼少時代にたまたま食べたラーメン屋が単純にとても美味しかった
- 一緒に食べたときに家族が団らんとしていて楽しかった(思い出補正の味)
のいずれかに当てはまる。
「そのラーメン屋が単純に美味しかった」のであれば、そのラーメン屋に訪れて実際に食べてみよう。そして、ターゲットがとんこつラーメンのどんな味が好きなのかを想像してみよう。
「この間教えてもらったラーメン屋、美味しかったです。ラーメンにのっているチャーシューが最高でした!」とフィードバックすることで、ターゲットはシンプルに喜ぶだろう。
もしラーメンが好きな理由が「思い出補正」であれば、そのエピソードを話してもらうように促す質問を投げかけてみよう。
良い思い出であれば、率先して話してくれるに違いない。まずはそれだけでOK。ターゲットは貴方に少しだけ心を開いてくれる。
大事なのは相手の気持ちになること
「ひとの気持ちになって考えてみましょう」
…と小学校の学校の道徳の授業などで先生がよく口にしていた言葉。これはとても大切であると同時に、「ひとの気持ちになって考えるのがいかに難しいことか」を物語っている。
多様性の中で、どうしても理解できない考えの人が必ず現れるだろう。そんな時に、貴方はどのような行動を取るか。
- どうやっても理解できないし生理的に無理だから相手にしない。
とするのか
- どうしてそういう考えになるのだろう。
と、その人にとことん興味を持って考えを探ってみるのか
人間関係の構築の分かれ道である。
もちろん、相手の気持ちを汲み取るには大変なエネルギーがいる。そのくらい根気がいることであると同時に、根気がいるからこそ得られるものが大きいと考えるのである。
続く
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