いざUSJ
6時半。すでに家族全員が起床していた。旅行の朝は何故こんなにも早起きすることができるのだろうか。娘の弥生も6時間くらいしか寝てないだろうが、元気いっぱいである。
「これからニンテンドースイッチに行くんだよねー!」
と張り切っている。どうやら、USJのニンテンドーワールドの事を「ニンテンドースイッチ」として認識しているようである。伝わるのであえて訂正はしない両親だった。
USJは朝8時から夜22時まで開いている。普通に考えたらとんでもない営業時間である。ぶっ続けで遊ぼうものなら14時間も滞在することが出来る。
何時まで遊ぶかは長女の体力優先だ。
ホテルは連泊なので、キャリーケースなどの大きい荷物を置いていざユニバーサルシティ駅へ。
今はiPhone一つでなんでもできるような時代だ。USJのチケットもすべてiPhoneで管理することができ、入退場で行列を作る必要もない。
円安も追い風になっているのか、USJはお客さんで大変混雑していた。開園当初からある「ジョーズ」ですら100分待ちという状態。主観だが、もはや今はディズニーよりも混んでいるのはないかと思わせた。
目的のために金を使う(笑)
今回の旅行のコンセプトのうちの1つが「夫婦関係の良化」である。妻は並ぶことが大嫌いである。妻への配慮も考え、またお金よりも時間を大切にしたい年代であることから、「時間をお金で買う」選択肢を取った。
今回買ったものはユニバーサルエクスプレスパス4~ファン・バラエティ~というものだ。
1人23,000円の追加だ。これにより4つのアトラクションを待ち時間なしで楽しめる。
結果、この選択は正解だった。待つというストレスを一切感じることなくアトラクションを楽しめた。並ぶことが大の苦手な妻も終始快適に過ごしているようだった。
長女の弥生は初めてのUSJに終日大興奮。味わったことの無い雰囲気に感情のコントロールが効かないようだった。
良い雰囲気からの…
USJを出たのは18時過ぎ。少し早い上がりだったが、結果的に10時間も滞在したことになる。
5才の弥生は僕の腕に抱えながら寝息を立てている。早朝からエンジン全開で動いていたので、エネルギーが空っぽになったようだった。
ホテルに戻ってベッドに静かに横にさせる。妻もその隣にゴロンと横になった。本来ならば川の字になって寝る所なのだが、この非日常空間を利用して妻との距離を縮めたかった。
「隣に寝ていい?」
僕はさりげなく妻に聞いた。この2日間だいぶ距離が縮まったような気がした。USJの雰囲気も後押ししてくれたのか、妻との目が良く合ったような感覚だった。イケる、と確信があった。
すると妻は応えた。
「…何系で?」
僕はきょとんとした。妻は何を言っているのだろう。旦那が「横に行きたい」と言ったら一つしかないだろう?妻の顔はいつもの日常と一緒、再び眉間にシワが寄った状態だった。僕を拒んでいるいつもの顔だった。
僕は落胆しながらも、最後の粘りの一言を伝えた。
「嫌ならいいけど」
すると妻からは
「うん…」
とだけ返答があった。僕はひどく落ち込み、そのままベッドのすみっこに横になった。
(完)
…いかがだったでしょうか!?一度離れた夫婦の距離を縮めるのって難しいですね!笑
それではまた次回のやまだの奮闘に期待(?)しましょう!
本日はここまで!さようなら!!
やまだのりお
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