長女の気まぐれ
家族3人でラーメンを食べた後、地元のキッズパーク(屋内あそび場)に弥生を連れて行く予定だった。親子で3時間滞在1,500円というリーズナブルな価格で良心的だ。
子供を自由に遊ばせているあいだ、危険な遊びをしていないかを少し見張りながら、大人はWi-Fi環境下でPCやスマートフォンを操作することが出来る、大人にとっても子供にとっても快適な空間である。
「弥生、パパと2人でキッズパークに行こうか?」
家のリビングで一息ついた後、弥生にそう言いかけたときだった。
「ごはんたべおわったからさ、3にんでいっしょになわとびしようよ!」
弥生からの遊びの提案。僕は言葉を飲み込んだ。
「いいわよ」
妻が答えた。僕が1日中仕事の土曜日、妻はワンオペで弥生の面倒を見てくれている。今日は日曜日、一人でゆっくりしたいに違いない。それなのに、まさかの妻から肯定的な返事。
「じゃあ3人でなわとびしようか」
僕も賛同する。自宅の玄関に向かい、おもちゃBOXから大人用のなわとび2つと、子供用のなわとび1つを取り出した。弥生がすぐ後ろにぴったりつく。
「これ、やよいの!」
僕から奪うように、ピンク色の子供用の縄跳びを持ち玄関の外にバーンと飛び出した。追うようにして僕も後に続く。リビングから、妻の近づいてくる足音も聞こえてくる。
マンション派だった僕が、一軒家を好きになった
「マンション派か一軒家派か」
永遠に議論されるこの問題。どちらがいいとも言い難い。僕も一軒家を購入する前は色々な理由でマンション派だった。
だが一軒家にもメリットがある。たとえばこういう時だ。
良くも悪くもすぐに外に出られる。セキュリティ面のデメリットがあるが、一方でちょっと外で遊びたいとなった時に、エレベーターなど使わずすぐに外出できるのだ。
ごみ出しの時もそれを実感する。マンションに住んでいた時は、たくさんのごみ袋が溜まっていた時はしょっちゅうエレベーターを使って行ったり来たり。当時はそれが普通ではあったが、一軒家に住むとあれはだいぶ煩わしい行為だったのだなと感じる。
スーパーから帰ってくるときもそうだ。車でスーパーに行くと買いだめという意味で5袋も6袋も食材を調達する。マンション住まいだったときの、この荷物の搬入がわりかし面倒である。何往復していたことだろう。オートロックの鍵を出ししまいする行為も煩わしい。
一軒家になると、自宅玄関と車の距離はほんの2~3メートルである。この距離を往復するだけで良いのだから、こんな楽なことはない。6袋もあるスーパーのレジ袋は、ものの1分程度で家の中に持ち運び可能だ。
長女 弥生の一言
何より、長女がこの家を気に入っている。
「やよい、このいえにずっとすみたい」
とふと瞬間に僕に話してくれた時がある。その一言が、なぜか僕の涙腺を刺激した。
家族のために、誰かのためにしっかり生きている、そう思わせたのである。何が合っても、僕はこの暮らしを守っていきたい。そのように感じた1日だったのである。
続く
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