親子水入らずのプチ旅行
「ママ―、じゃあいってきまーす!」
駅のホームまで見送ってくれた妻。僕と長女の弥生は電車に乗り込んだ。電車のドアが閉まった後も、姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
11月の3連休。おそらく、快適に過ごせる今年最後の行楽シーズン。電車の中も人だかりができていた。みな、考えることは同じである。
家族と出かけるときは節約はしない。むしろ家族と浪費するために普段から節約をしているようなものである。
グリーン車に乗って横浜へ。日帰りすることができる距離ではあるが、
- 長女と非日常空間を楽しむ
- 妻に一人の時間を楽しんでもらう
そういった狙いが今回のプチ旅行にはある。
初日はアンパンマンミュージアム
見慣れた景色をぼーっと眺めながら移動。普段せわしない日常から離れて、たまにはこうやって娘のはしゃぐ姿を見ながら脱力するのも悪くない。
横浜駅から乗り換え、新高島駅。アンパンマンミュージアムの最寄りの駅である。
「あ!アンパンマンだ!」
駅の改札にはアンパンマンのモニュメントがある。弥生と訪れるのは、人生で3回目。年に1回のペースでここ新高島に来る。
「じゃあ写真撮るよ~。はい、チーズ!」
パシャ
150センチくらいのアンパンマンの像と、120センチない弥生のツーショット。毎年写真を撮っているが、どんどんとアンパンマンとの身長差が無くなっている。1年の早さ、長女の成長の早さを実感しながら、いざアンパンマンミュージアムへ。
…
ミュージアムの1階は、ジャムおじさんのパン屋さん。ここはいつも長蛇の列をなしている。毎年、ハンバーガーマンパンか、コロッケパンを買いたいのだが、夕方には必ず売り切れてしまう人気商品だ。今回も買う事はできないだろう。
「パパ!2階いこ!」
ミュージアムの入り口は2階にある。弥生も人生3回目のアンパンマンミュージアムだ、場所もしっかり把握している。
入口に入ると、3連休の中日ということもあり、大変な賑わいを見せていた。
成長の早さへの喜びと寂しさ
入園して感じた。
弥生は、アンパンマンミュージアムの中でもかなり大きい方で、最年長に近い年齢である。弥生以外のお子様たちは、いずれも1才~3才と思われる年齢層だ。弥生は今5才。世間ではまだまだ子供だが、このアンパンマンミュージアムの中では目立つくらい、というか浮くくらい年長だ。
「そろそろ、アンパンマンも卒業か…」
成長することへのうれしさと、日に日に「巣立ち」までの日数がカウントダウンされていることを感じた。うれしさよりも、なぜか寂しさが募ってくる。父に向かって、
「パパ―!」
と笑顔で駆け寄ってくるのもきっとあと数えるくらいだ。だからこそ、この1日を目に焼き付けたい。そう考え、横浜という近い場所でも宿泊を選んだのである。
続く
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