第63話〜目を合わせるということ ~

家族

アイコンタクトは、出来ているようで意外にも出来ていない。相手の目をじっと見れば自分の思いは伝わるし、相手の感情の何らかの変化も捉えることができる。たとえ何を考えているのか分からないとしても…

妻にリモートを集中してもらうために

妻と僕の距離感は日々、めまぐるしい。会話がスムーズな時もあれば、何を話してもチグハグしてしまう日もある。子供がいなかったら2人で会話が成り立つのだろうか…とまぁ、そんな感じ。

17時半。珍しく早く帰宅。妻はリビングでリモートワークをしていた。仕事中の妻の集中力はすさまじい。いつも以上に眉間にシワが寄っている。

「ただいま」

「…」

僕の声が届かないほどだ。邪魔をしないように2階の部屋に上がる。少し散らかってしまった部屋着を畳んだり、軽く部屋掃除したりして時間を使う。妻が仕事に集中できるよう、最小限の音量で作業をする。

いつも頑張っている妻を助けてあげたい、そう思っただけなのに

18時頃、頃合いを見てリビングに下りる。妻のPCは閉じられていた。今日の業務は終了したらしい。

仕事も料理も保育園のお迎えも大変そうな妻にせめて僕ができること…今日はお風呂掃除をやろう。いつも任せっきりで申し訳ない。だから今日は当番じゃないけど、少しでも妻をラクにさせたい。

「お風呂はもう洗ってあるの?」

僕は彼女に聞いた。彼女がものすごい剣幕で

「洗ってません!!!」

とピシャっと一言だけ返してきて、あとは何も言われなかった。

僕はびっくりしてしまった。僕の言葉はどんな風に伝わったのだろう。嫌味に聞こえてしまったのだろうか。

「うん…わかった」

それだけ答えて、スポンジと風呂用洗剤を持って浴槽をゴシゴシ洗った。床もたまには磨こうと、シャカシャカ床用ブラシでこする。

妻が怒った理由を考えてみる

「まだお風呂洗ってないの?」

…もしそう聞こえてしまったのなら申し訳ない。そういうつもりで言ったわけじゃない。振り返ると、僕の目が妻に合っていないことが分かった。これは僕が悪い。妻の目を見ずして、彼女への労いが伝わるワケがない。

仕事の仕方っぷりを見て、僕は本能的に「妻は機嫌が悪く、冷たい反応をされるかもしれない」と感じていた可能性はある。だからこそ目を逸らしたのだ。

目を逸らすのは簡単だ。だか逸らしても良いことは一つもない。彼女の情報が入ってこないからである。

次はしっかりと目を合わせて、

「よかったらお風呂掃除やってもいいかな?もう済んじゃった?」

と聞いてみよう。今日も学びを得た。

続く

やまだ のりお

◆所有資格◆
薬剤師
簿記3級
FP3級
 
◆経歴
前職:東証プライム上場企業 営業職

現職:サービス業 エリアマネージャー
 
第一子誕生をきっかけに転職。
仕事と家族と充実した毎日を過ごしています!
 
資格と経験を活かしつつ
健康・お金・転職・マネジメント
などの情報を発信しています!

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