優秀な、愛すべき妻
ギシッ… ギシッ…
朝7時。リビングで作業していると聞こえてくるいつもの音。そう、妻の足音である。この時僕はいつも緊張し、身体が震える。
「今日の妻は、急ぐ日なのか、急がない日なのか…」
妻の仕事は、1週間に半々くらい、出社とリモート在宅ワークを行う業種だ。旦那の私がいうのもあれだが、彼女はとても優秀である。
関東の有数の国公立大学を卒業し、プライム上場企業に入社。社内では度々表彰されていた。僕と結婚し、出産などのイベントも経て、色々な事情があり現在は3社目である。
フルタイムで働きながら、長女弥生の送り迎え、家事などをほとんど実施してもらっている。僕は時々彼女のことを、
「もしかしてスーパーマンなんじゃないか」
と思ってしまう。そのくらい彼女のパフォーマンスは優れている。
妻が急ぐ日は要注意
そんな彼女は時間に厳しい。(「時間にうるさい」と言い換えることもできる…笑)
リモートワークではなく、出社の時は無論「妻が急ぐ日」である。
まず僕が5時に起床する。エアコンの暖房をONにして、ブログを書いたり、ご飯を炊いたり、食洗器の中洗い終わったお皿を片付けたり、自己学習したり、朝食を摂ったり…すると、あっという間に7時になる。
むしろ、7時までに自分の身支度を終えなければならない。髪型のセットや着替え、食事を済ませた皿洗いなどを完了させねばならないのだ。
何故なら、そうしないと妻の動線を邪魔してしまうことになるからである。キッチンに立つも、洗面台を使うも、僕が使っていると背後からただならぬオーラを感じるのである。笑
はよ どけ
家庭内マインドセット
妻が起きると、特に冬、ほぼ毎朝起きるイベントがある。それは…
ブレーカーが落ちる
なぜか?
まずリビングに下りてくると、最初にすることは電気ケトルのONだ。すると一緒に、電子レンジに冷凍ご飯を入れ、4分温める。
すぐに洗面台へ移動する。髪を濡らして、ドライヤーの電源を入れる。この時点ですでに、エアコン暖房、電気ケトル、電子レンジ、ドライヤーという高電力の4アイテムが起動する。
バチン
当たり前のように、ブレーカーが落ちる。もはやこの現象は日常茶飯事である。習慣と言うのは、恐ろしいものだ。妻はとても優秀なのに、この習慣は決して変えることがない。変えるつもりがないのか、変えたくても変えられないのかは、分からない。
一度、指摘した事がある。だが妻は、むっとした顔をするだけだった。
夫婦間の話し合いは難しい。こんな些細なことでも大きな事件に発展する可能性だって秘めているのだ。
伝えても改善せず、夫婦仲が険悪になるのであれば、もうやることは一つしかない。
「春は桜、夏はセミ、秋は紅葉、冬はブレーカー」
季節を感じる風物詩であると感じること、ただそれだけである。
バチン
部屋が暗くなったら、
「冬がやってきた」
そう思う事にしている。
続く
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