
今年届いた固定資産税の納税通知書を見て、「えっ、こんなに安いの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。
この額でしか売れないわけではありません。
今回はこうした疑問を抱えた方に向けて、
「固定資産税評価額」と「時価」の違い、そして評価額が低く見える理由を分かりやすく解説いたします。
これを理解することで、不必要な不安を抱かずに済むようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

私自身も購入額の半分くらいの金額が記載されていたのを見て不安になりましたが、しくみを理解して安心できました!
1. 固定資産税評価額とは?
固定資産税評価額とは、
土地や建物といった不動産に対して市町村が課税するために決める基準価格のことです。
実際の売買価格(時価)とは異なる
評価額は「税金の公平な負担」を目的として、市区町村が独自の基準で定期的に算出しているからです。
例えば、土地の場合は公示価格の約70%が目安とされており、建物の場合は再建築価格に一定の減価補正率を掛けたものとなります。
これにより、築年数が経過するごとに評価額は下がっていく傾向があります。「時価」との違いに不安を覚える方も多いですが、評価額は意図的に低く設定されていることが前提なので、下がっていって良いんです!
「価値が落ちてる!」
そう思われないようにご注意ください。
2. なぜ固定資産税評価額と時価は異なる?
課税の公平性のため(全国一律の基準が必要)
時価(市場価格)は不動産会社や個別の取引によって変動しやすく、同じような家でも大きく違うことがあります。
そのため、実際の売買価格(時価)を基準にすると課税の公平性が保てなくなるのです。
そこで国が定めた評価基準に基づいて、
「ある程度一律」で評価額を出すようにしています。これにより、地域や人によるバラつきを抑えています。
納税者の負担を抑えるため(高すぎる課税を防ぐ)
時価で課税すると、例えば土地の価格が急騰したエリアでは、固定資産税も跳ね上がってしまい、多くの住民が支払えなくなります。
そのため、固定資産税評価額は時価の約70%程度に抑えるというルールがあります(※用途や地域によっても異なります)。
見直しの時期が全然違うため
時価は毎日のように変動しますが、固定資産税評価額は「3年に1回」の評価替えで見直されます。
常に最新の時価とはズレがあるのが前提となっており、その分「控えめ」に見積もる設計になっているのです。
各種評価の違い
用語 | 基準 | 目的 | 備考 |
---|---|---|---|
固定資産税評価額 | 公的評価基準(総務省) | 固定資産税の計算 | 3年ごとの更新。時価の70%前後 |
時価(実勢価格) | 市場での売買価格 | 実際の取引基準 | 日々変動 |
公示地価 | 国土交通省が発表 | 土地取引の参考・目安 | 年1回更新(1月1日時点) |
「固定資産税評価額」「時価」「公示価格」は、
目的も算出方法も異なります。どんな目的でそれぞれの項目があるかを表に記載しています。
固定資産税評価額
固定資産税評価額は、地方自治体が土地や建物に課税するために算出する価格で、3年ごとに見直されます。
時価よりも低く、一般的に時価の50〜70%程度に設定されており、納税者の負担を抑えるための調整がされています。
売却価格の参考にはなりませんが、固定資産税や都市計画税の算出に使われる重要な指標です。
時価(実勢価格)
時価(実勢価格)は、実際に市場で売買が成立する価格のことで、需要と供給、物件の立地や状態、経済状況などにより日々変動します。
公的な評価額よりも現実的で、売却や購入時の判断材料として最も重視されます。
不動産会社の査定や近隣の成約事例などが参考になります。
公示地価
公示価格は、国土交通省が毎年1月1日時点の標準的な土地の価格を示したもので、土地取引や公共事業、税金の基準として使われます。
実際の売買価格(時価)とは異なり、あくまで目安として活用されます。
不動産の売却時には直接の参考にはなりにくいですが、地価の動向を知る上では有用です。
3.実際の売却額はどれを参考にすべき?
完全に時価(実勢価格)です。
時価は、実際の市場で売買が成立した価格に基づくため、売れる可能性の高い金額を知る上で最も現実的で信頼できる指標だからです。
一方、公示価格や固定資産税評価額はあくまで目安や税計算のためのもので、実際の取引価格とは大きく異なることがあります。
たとえば、あるエリアの築10年・30坪の戸建てが4,200万円で成約していれば、
それが「実勢価格(=時価)」です。
自宅が似た条件であれば、それに近い価格で売却できる可能性が高く、不動産会社の査定でもこのような事例が重視されます。
たとえ、
公示価格が3,500万円
固定資産税評価額が2,800万円
であっても、それらは実売価格とは一致しません。
4. 固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額は、誰でも簡単に確認することができます。
まず最も身近なのが、毎年4月〜5月に送付される納税通知書の中にある「課税明細書」です。
そこに、土地や建物ごとの評価額が記載されています。
さらに詳しく調べたい場合、
市町村役場で「固定資産評価証明書」を取得することも可能です。
これは登記や住宅ローンの審査時にも使われる公式な書類です。また、「固定資産課税台帳」を閲覧することで、より詳細な情報を得ることもできます。
これらの手段を使えば、自分の不動産がどのように評価されているのか、正確に把握できます。
5. 固定資産税評価額から時価を推定する方法
評価額からある程度の時価を推定することは可能です。
●土地
評価額 ÷ 0.7
●建物
評価額 × 1.4〜1.6
たとえば、
土地であれば「評価額 ÷ 0.7」、
建物であれば「評価額 × 1.4〜1.6」が一般的な目安とされています。
これはあくまで概算ですが、大まかな市場価格を知るには十分です。
とはいえ、これらの計算には個別事情が反映されていないため、より正確な時価を知りたい場合は、不動産会社の無料査定サービスを活用するのがベストです。
最近ではオンラインで複数社に一括査定できるサービスもありますので、気軽に利用できます。
自身の不動産の本当の価値を知る一歩として、ぜひ活用してみてください。
6. 固定資産税評価額が思ったより高かったら?低かったら?
思ったより高かったら…
固定資産税評価額が高いということは、自治体から見てその土地・建物に高い資産価値があると評価されていることを意味します。
税負担は増えるものの、資産としての
価値が高い=売却時に高値で売れる
可能性があるとも言えます。
不動産を投資や将来の売却対象と考えている場合はポジティブに捉えられるでしょう。
ただし、支出に少なからずに影響を与えるため、住宅ローンや生活費とあわせて税額の把握が重要です。
思ったより低かったら…
固定資産税評価額が低いと、毎年の税金が安く済むため、家計への負担が軽くなるメリットがあります。
特に長期保有を前提とする場合は、税コストの低さが安心材料になります。
一方で、売却や担保にする際の資産価値が低く見積もられる可能性もあるため注意が必要です。
また、築年数が経過した物件や人気のないエリアでは低評価になりやすく、その背景を理解することも大切です。
7. 評価額に納得がいかない場合…
あまり無いことですが…
評価額に納得がいかない場合には、
対応策が無いことはありません。
たとえば、「登記された面積と実際の面積が違う」「すでに取り壊した建物が記載されている」などのミスがあるケースです。
そのような場合は、市町村の資産税課に連絡し、再評価の申し出を行うことが可能です。
なお、固定資産税の評価額は3年ごとに見直される「基準年度」に改定されるのが原則です。
タイミングによってはすぐに修正できないこともありますが、誤りが明らかな場合には柔軟に対応してもらえるケースもあるため、
まずは相談してみることをおすすめします。
8. まとめ
固定資産税評価額と時価は、そもそもの目的が異なるため、大きな差があることは当然です。
評価額は税金の計算に使われるため、時価よりも低く抑えられているのが基本です。
評価額が低いからといって不動産の価値が低いわけではありませんので、過度な心配は不要です。
もし正確な時価を知りたい場合は、不動産査定サービスを利用するのが賢明です。
また、評価額に誤りを感じたときは、行政への問い合わせや修正の申し出も可能です。
制度を正しく理解することで、固定資産税に対する疑問を払拭し、安心してマイホームライフを送りましょう!
最後までご覧頂きまして誠にありがとうございました!
今夜もホッとするあなただけのお家で
ごゆっくりお休みくださいませ…。
以上です。
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