●相手をほめて、共感しよう
●自分の気持ちを伝えよう
●メリットを伝え、再度お願いする仕事内容を確認しよう
相手をほめて、共感しよう。
「石川さん、君と仕事をするとすごくやりやすい。仕事を頼みやすい。いい意味でね」
僕は、従業員の石川さんに伝えた。彼女の喜んでいるのは明らかだった。
石川さんは、入社5年目のアラサー女性従業員だ。小さめの身長で、母親には見えないまるで少女のような見た目だ。育休復帰後1か月、彼女なりに一生懸命に働いている。
だが僕から見て、
「なんとなくつかみどころのない女子」
そんなイメージだ。
彼女がどんな気持ちで復帰後仕事をしているかが分からない。やる気に満ちているのか、それともイヤイヤ仕事をしているのか…
だが彼女が周りにとても気を遣えるコであることは、言動からも感じた。
周りのスタッフに、積極的に
「ありがとうございます」
「すみません」
と基本的な感謝と謝罪を伝え続けているのだ。
そういえば今まで1か月、僕の気持ちを伝えたことがなかった。
僕が彼女の仕事っぷりに対してどう思っているのか、かつてコーチング研修で学んだ基本的内容
褒める行為(具体的に)
が足りていなかったことに気が付いた。
褒められると、人はドーパミンと呼ばれる快感ホルモンが放出されます。ドーパミンは意欲や快楽に関係する神経伝達物質で、放出されることで気分が高まり幸せな気持ちになります。また、「褒めてもらえた!」という喜びや安らぎが生まれ、褒めてくれた相手に対する信頼感が自然と高まるとされています。
引用:褒めスキルで人間関係を円滑に!職場で役立つ「褒め上手」になるコツ/Cheer
だからこそ、今回改めて僕が思っていた正直な気持ちを彼女に打ち明けてみた。
「石川さん、君と仕事をするとすごくやりやすい。仕事を頼みやすい。いい意味でね」
すると彼女の表情がパッと明るくなった。
自分の気持ちを伝えよう
「ありがとうございます。そんな風に言ってくれて嬉しいです」
そう彼女が答えた。彼女自身も気持ちを僕に伝えてきてくれた。
僕は続けた。
「なんというか、僕と考えが近い部分がある。周りを気遣って、労いの言葉をかけてる。周りの雰囲気がよくなる」
彼女は目を丸くさせた。
「そんなところまで見てくれていたんですね。ありがとうございます」
「うん。話しかけやすい雰囲気もあるから、仕事を頼みやすいって感じる。頼みたい仕事、まだ頼んでないけど。笑」
すると彼女は言った。
「なんでも頼んでください!!」
僕はニコッと笑顔になった。
「ありがとう。じゃあそうするね、じゃあ…」
僕は話を続けた。
メリットを伝え、再度お願いする仕事内容を確認しよう
「…この仕事は、石川さんの成長にとってもすごくいい仕事内容になると思う。今まで確認するって作業、自分ではもうちょっとって思ったことはない?」
「確認不足はわたしの欠点です。いつも抜け漏れしちゃって、ミスばかりしちゃってみなさんに迷惑をかけてしまってます」
「自覚があるというか、認識できているのは凄いよ。あとは少しずつそこを改善できたら良いよね」
「はい、明日にはなんとか改善できるようにがんばります!」
「習慣て、性格に近いモノだから、明日治すのは難しいよ。僕だって明日治せって言われたら無理だもん。笑」
「そうなんですか?」
「だれも明日から100%は変われないよ。毎日の積み重ねが成長。だから明日1つでも何か、今日と違うことができたら良いよね…何があるかな?」
「え~と…明日、1回しか確認しない書類を、2回確認したいと思います」
「うん、そんな感じ。でも無理はしないようにね」
「ありがとうございます!」
僕は立ち上がった。
「コンビニ行ってくる。石川さんはコーヒー好き?」
「え…あ、はい!大好きです」
「じゃあついでに買ってくるね。笑」
「お金払います!」
「いいよいいよ」
ますます笑顔になった僕は、コンビニへと向かった。ひたむきな従業員の伸びしろは無限大だ。
以上
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